レスポールjr カスタマイズ2 ティルピース・ブリッジのヴィンテージ・ライク・フェィク・セッティング

前回に続きジュニアのカスタマイズです。
ティルピース・ブリッジの変更とヴィンテージ・ライクなフェィク・セッティング。
ピックアップ、ポット、ジャックの変更です。
ネットの情報でオールド・gibsonのティルピースがアルミニウム製である事を知り、GOTOHのBridge tail piece GE101Aを入手しました。
そして以前から気になっていたピッチを調整するために左下がりになったそのセッティング。音には関係ないけど何故だかカッコよく思えます。
リフィニッシュ前だったらスタッド・ボルトを抜いて打ち直すところですが、さて、どうしたものか?
そこで、思いついたのがティルピースそのものを斜めに見えるように加工する事です。
まずは、適正な傾きの計測。手持ちの資料から約7度の傾きと解りました。
基準となるスタッド・ボルトにテールピースが接する部分の左側は溶接による5ミリの肉盛り。                               右側は5ミリ削り込みで7度の傾きが設定される事を実寸図で導きだしてアルミニウム専門の溶接業者に加工を依頼しました。
                                  ( 金属溶接でもアルミニウムは特殊らしいです 。)
これで大丈夫と出来上がりを心待ちにしていましたが、ここで問題発生 !
実は、アルミニウム100%では無いとの事。何かが含有されているので溶接不可との返事。
テストされたのか左側が、わずかに肉盛りされたテールピースが返ってきました。
そこで改めて思いついたのは、右側の削り込みを予定の5ミリより深くして角度を確保する事でした。



加工中です。
ティルピースをしっかり固定して右のスタッド・ボルトに接する部分を適当な棒状のヤスリで垂直方向に削り込みます。                   アルミニウムは柔らかいので簡単です。


上がオリジナルの亜鉛ダイキャスト製/重量約80g。
下が加工済みのアルミニウム製/重量約25g。かなり軽量です。見た目も違います。
]


オリジナル・ティルピースのそのままのセッティング。 →  アルミニウム・ティルピースのフェィク・セッティング
      


さて、肝心なピッチのチェックですが、結果はOKでした。シビアに計測して加工しましたので使用に問題は、ありませんでした。
音質も生鳴り/サスティーンが向上して期待以上の変化が出ました。 アルミニウム、お勧めです。
単にティルピースが斜めになっただけですがギターの顔が違って見え気分はヴィンテージです。ちなみに上の写真、左がオリジナルのべっ甲柄ピッグガード。右が自作の黒のピッグガードです。

本来、ティルピースが斜めにセッティングされてる理由は、オクターブ調整を行うためのようですが、(スタッドに接するアレンビスにより微調整が可能らしいです。詳細は、Gibson Les Paul junia大全の3.構造とスペックのその2を参照してみてください。) 


そしてコンデンサーの変更。
これに関しては、以前からお世話になっているRYU MOTOYAMA氏にまたまたお世話になってしまいました。氏は某有名楽器店の店長を長らくやってられた方で現在は、独立され個人で楽器のメンテナンスなどを中心に忙しい毎日を送っておられるようです。
ふらっと入った3フロアーの楽器店でオリンピック・ホワイトのストラトを購入したのが縁となり氏とのお付き合いは、すでに20年を越え、楽器のメンテナンスや改造にいつも心良く相談にのってもらってます。
今回もコンデンサー変更の相談をしたところ、現行のGibsonに搭載されているバンブル・ビータイプを始め、ヴィンテージのバンブル・ビー/グレイ・タイガー/ブラック・ビューティーなどをそれぞれ複数個携えて僕の自宅までやって来てくれました。というのも実際、僕が使用しているアンプとギターという同一条件でコンデンサーを決定するのが望ましいからとの事でした。ありがたい事です。
テストしてみると、それぞれ個体差があるということが解り、迷った末にコーネル・デュブラー社のグレイ・タイガーをチョィスしました。
スプラグ社のバンブル・ビーもなかなか良いものでしたが、グレイ・タイガーのその個体は、低域から高域までもバランスが良くガツンと来る感じがしました。



上が変更前のフィルム・コンデンサー。
下がコーネル・デュブラー社のグレイ・タイガーです。













その他、ポットと ジャックはRYU MOTOYAMA氏におまかせでそれぞれUSA CTS 500K×2/ スィッチクラフト社に変更。



ピックアップの変更

オリジナルは、もうひとつだったのでLOLLAR GUITARSのP-90 にチェンジしました。
このピックアップは通常のP-90の7.0kΩに比較すると9.0kΩという数値が示すようによりファットな音色になるようです。

今回、カスタマイズの対象となったburnyレスポール jrのピックアップは、年代によって違いがあるようで80年代のものはアルニコなのでそれなりに良い音だったように思いますが僕のjrは90年代のものだったようです。

後、このギターに関して気になるところはヴィンテージの配線材でしょうか。
さて、ギターにある程度の満足がいくと今度はストラップとアンプの話になってきます。しかしながらその件は、いずれかの機会に取って置くとして、
johnny thundersのアンプ・セッティングの本当のところは、どうだったんでしょうか?
あのぶっ太くてネバッこい存在感の固まりのような音の秘密。

知りたいものです。

どなたか御存知の方、いらっしゃったらコメントよろしくお願いします。
                              鶴川仁美